鏡板の前で

今日は夕方から京大宝生会稽古でした。

そして今日の稽古は私にとってある特別な意味を持っておりました。

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渡辺三郎先生のお嬢様とお孫さん一家が、京大能楽部BOXの「鏡板」を見るために、遥々東京からいらっしゃる事になっていたのです。

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京大能楽部BOXの鏡板は、元々は東京練馬の渡辺三郎先生の御自宅舞台にあったものでした。

それが4年前に京大に移設された経緯は、拙ブログ「二枚の鏡板の話」に詳しく書かせていただきました。

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私は小学生の時に初めてこの鏡板の前で渡辺先生の稽古を受けました。

その頃にはお嬢様とお孫さんもひとつ屋根の下で暮らしておられて、お孫さんと私は順番に稽古を受けた後に一緒に遊んだりもしました。

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それから幾星霜を経て、練馬舞台から遠く離れた京大能楽部BOXであの鏡板を前に再会することになるとは、これもまた実に不思議な運命を感じます。

鏡板の前で記念撮影をして、京大宝生会の稽古を少しご覧いただきました。

渡辺先生の写真をお持ち下さったので、渡辺先生にも稽古をご覧いただきました。

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舞っている現役はそのプレッシャーを感じたようで、まるで本番のように緊張していたのがまた良かったです。

先生もきっと「最近の若者達も頑張っているじゃないか」と満足されたことと思います。

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渡辺先生のご家族に鏡板の今をご覧いただくという長年の願いが叶って、心から嬉しく思いました。

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京大稽古を終えて私は東京に蜻蛉返りです。

実は今週末にアメリカ人尺八奏者との舞台が控えており、今週は連日その稽古もあるのです。

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今日は他にも見学者が訪れたり、書くことが色々多いのですが、それらはまた明日にさせていただきたいと思います。

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