「葵上」悪戦苦闘中…
今日は江古田稽古で、その前後に能「葵上」の稽古をいたしました。
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「葵上」はこれまで舞った曲とはいくつかの点で異質だと感じます。
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先ずはシテ謡の節付けが非常に複雑で難解です。
ところが更に、その複雑な節を正確に謡うだけでは全く足りず、味気ないような気がするのです。
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「どう謡うかは演者に任せます」というような”余白”の部分が大きいとも言えるかもしれません。
その余白に何をどう描くかに悪戦苦闘している訳です。。
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蛍のように月のように光る君。
一方で朝顔の花が萎れていくように衰え行く自分。
そして春の大地に一斉に芽が生えるように湧き上がる恨み…
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これらを一体どう表現すれば良いのでしょうか。
感情移入し過ぎると、歪んで品の無い謡になる恐れもあります。
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まだまだ手応えは感じられず、悪戦苦闘は続きます。。