亀岡の花々〜梅雨入りの前に〜
今日は亀岡稽古でした。
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最初に仕舞の稽古をした方が、実は亀岡稽古場で一番植物に詳しい方で、稽古の後に色々な草花を見せてくださったのです。
これは大変に幸運なことでした。
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先ず私の目についたのが小さなイチゴのような実でした。
私「この実はなんですか?」
「それはヤブヘビイチゴ(薮蛇苺)です。食べられますが、そんなに美味しくないですよ」
なるほど。昔小学校の帰り道に、友達と蛇苺を探して食べた覚えがあります。
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大きな黄色い花が咲き乱れていました。
「これはハンカイソウ(樊噲草)ですね。」
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おお!「樊噲」とは漢の武将の名前で、昨年舞った能「夜討曽我」にもその名が出てきます。
スックと伸びた茎の先に咲く派手やかな花を、勇猛な武将に例えたのでしょう。
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「これはエビラフジ(箙藤)ですね。なんで”エビラ”なのかわかりませんが…」
これはまた驚きのネーミングです。
「箙」と「藤」という2曲が合わさった花なのです。能楽関係者ならばニヤリとするに違いありません。
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名前の由来を調べると、花が一方向に咲いている様が、箙に矢を挿しているように見えるからその名がついたとありました。
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他にも「ギンバイソウ(銀梅草)」
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世界中で「青葉山」という山だけに咲くという女郎花の仲間「オオキンレイカ(大金鈴花)」(ただし近年になって、もう1箇所だけ群落が発見されたとか)
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「シナノアキギリ(信濃秋桐)」
などなど、短時間で沢山の花々を教えていただきました。
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そして稽古の続きに戻ろうとしたのですが、もうひとつ目に付いた木がありました。
「ヤマモモ」です。
今年も実がたくさん生っていたのです。
地面に落ちている実も多く見られました。
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実はもう3年越しに、この実を食べにくる「狸」を見たいと思っているのです。
夕方になると出て来ることがあると聞いていたので、今年こそはと思ったのですが…
「去年辺りから、狐が出るようになって、そうしたら狸は居なくなってしまったのです」
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なんと、狸よりも狐の方が強いのでしょうか。
どうやら今年もヤマモモを食べる狸には出会えそうにありません。。
いつか狐が居なくなったら、また戻ってきてもらいたいものです。
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関西の今年の梅雨入りは遅くなっていますが、明後日あたりから天気予報は雨マークです。
梅雨入り前の晴れ間に色々な花に出会えた今日の亀岡稽古でした。