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復活への第一歩

私の母親は2年半ほど前から、母校の日本女子大学構内にある和室を借りて、「日本女子大学宝生会」の復活に向けての新歓活動をコツコツとしておりました。

チラシを作成したり、先ずは職員など大人の稽古を始めて、学生に見学を呼びかけたり。

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何度か学生も見に来てくれたそうなのですが、卒業間近の4年生だったりしてなかなか定着まではしてくれませんでした。

20数年間も途絶えていたクラブの復活は、やはり相当に難しいと思われました。

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それが今春、大きな動きがあったのです。

京大宝生会の大先輩のお孫さんが、この春にめでたく日本女子大学に入学されたのです。

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4月の終わりには母親から、そのお孫さんが友達を連れて、合計3人で稽古見学に来てくれたと聞きました。

復活に向けて、大きな第一歩だと嬉しく思っておりました。

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そして昨日。

私は澤風会江古田稽古日で、普段通りに昼から江古田舞台で稽古をしておりました。

母親は例によって日本女子大に新歓活動に行っています。

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夕方になって、いつも元気なボーカリストの方の稽古をしていると、母親が帰って来ました。

横目で見ると、母親はなにやら非常にそわそわしている様子です。

するとなんと母親の後ろから、緊張した面持ちの3人の女学生さんが稽古場に入って来るではありませんか!

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母「見学に来てもらったの!」

聞くと3人の女学生さん達は、今日既に日本女子大で「羽衣キリ」の仕舞と謡を稽古して来たとのこと。

稽古の後に、「都営バス一本ですぐ江古田に行けるから!」と母親が強引に連れて来たようです。

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折良く稽古場には、日本女子大宝生会のOGの澤風会会員さんもいらして、大学の建物や授業の話などで盛り上がっていました。

3人は足袋も扇も持っていて、「稽古を続けるつもりです!」と言ってくれました。

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母親が新歓活動を始めて3年目、ついに「日本女子大学宝生会」が復活することになりそうです。

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とは言え、まだクラブとして安定するまでには時間がかかるでしょう。

復活組の先輩である神戸大学宝生会の歩みなどを参考にさせていただき、なんとか人数を増やして継続していけるように、私も出来る限り手伝って参りたいと思います。

皆さまもどこかで「日本女子大学宝生会」の姿を見かけたら、どうか応援をよろしくお願いいたします。

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  1. 澤田先生、こんばんわ。
    青野有里です。
    お母様、ついに!、とうとう!、やりましたね!感動物語です。

    3年間のご心中をお察しします。
    ご自身が卒業生とは言え、外部者が勧誘のために大学の教室で過ごす時間の長さについて、風当たりも相当強く、厳しく寂しい時間の連続であったと思います。優しい人ばかりでは無いと思います。

    しかし、宝物のような新入生を澤田先生の稽古場にお連れするとはまた、泣かせますね、、。
    お母様にとって先生こそ”ご自身の夢の実現”であるということでしょうか、、。
    私はそう理解しました。

    先生ご自身の大学時代のOBやご指導の先生の思い出、京大生指導者として学生との交流、未来の能楽発展の為の地方への普及活動、現在の先生の舞台のお話、お母様の母校能研復活活動、、人物と時間軸が重層的で”学生能楽版ゴットファーザー(小書き:マフィアの話ではありません)”ですね(笑)

    明日は母の日です。
    よいお話ありがとうございました。

    先生に質問があります。
    先生は地方への移動に飛行機でなく、鉄道を利用されますが、鉄道好きなのでしょうか?

    10月に弘前へ出かける用事を控えている私は、新幹線か飛行機か、悩んでおります。
    また、もしご存じであれば、弘前駅のそばで土地のものが食べられるおすすめの居酒屋があれば教えてください。

    では失礼します。

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