3億4000万km先の竜宮城
今朝のニュースで探査機「はやぶさ2」が小惑星「リュウグウ」への着陸に成功したというのを読み、実に感慨深い気持ちになりました。
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というのも、先代の「はやぶさ」が2010年に、満身創痍の苦しい旅路の末に地球に帰って来たニュースで感動した事を思い出したからです。
大気圏に突入して寿命を終える直前の「はやぶさ」が撮影したという、半分かすれたような地球の写真をその時見ました。
JAXAのスタッフが、「はやぶさ」に最後に地球の姿を見せてあげたいという気持ちで撮影させたのだと聞いて、なんだか涙が出ました。
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そしてその「はやぶさ」の経験を活かして作られた後継機「はやぶさ2」が、2014年暮れに打ち上げられたのです。
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今から4年と少し前。
例えば京大宝生会で今年卒業を迎える学年が、まだ京大を目指して受験勉強をしていた頃です。
それからの4年間に、地球全体でも私の周りでも色々様々なことがありました。
沢山の人と新しく出会い、いくつかの別れもありました。
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その間に「はやぶさ2」は遥か3億4000万㎞の飛行を続けていて、そして日本時間の今朝にその目標地点である「リュウグウ」にたどり着いたというのです。
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能楽における「竜宮」は、「面向不背の珠」とか「獅子丸」という琵琶の名器などの宝物があり、それらが守護神によって厳重に護られているちょっと怖い場所、というイメージです。
能「海人」のシテ海人は、命懸けで竜宮に赴いて「面向不背の珠」をとって地上に還ります。
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今回「はやぶさ2」は小惑星「リュウグウ」の地表から、土砂などのサンプルを持ち帰ってくる予定だそうです。
そして今朝の着陸後にそのミッションの成果を尋ねられたJAXAの方の返答がふるっていました。
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「成果は玉手箱なので、地球に帰って開けてみるまでわかりません」
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「はやぶさ2」が命懸けの旅路の末に地球に還って来るのは、2020年の暮れになるそうです。
それまでの間に地球全体でも私の周りでも、また沢山の出来事があるのでしょう。
その間にまた遥かな旅路を辿って故郷を目指す「はやぶさ2」。
その帰還のニュースを聞いたら、またきっと私は深い感慨に包まれることでしょう。
彼の旅の無事を祈りつつ。