最後の巡回公演
今日はまた川崎市の小学校での巡回公演に出演して参りました。
今回の巡回公演シリーズでの私の出番は今日で最後になります。
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いつものように能「黒塚」までが無事に終わり、質問コーナーになりました。
シテの宝生和英家元が再び舞台に登場して、子供達からの質問に答えるのです。
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「お能は好きですか?」
といった無邪気ながら中々難しい質問にも、ユーモアを交えながら真摯に答えておられるのが印象的でした。
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今回が最後なので、帰り際に影向社の方に挨拶をしに行きました。
そして今年の巡回公演シリーズで延べ何人くらいの子供達が観てくれたのか聞いてみました。すると、
「今回20数校で公演を行ったので、1校あたり500人として延べ1万人以上になります」
と言われてびっくりしました。
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私はそのうちの7回に参加したので、それでも3000人くらいの子供達に観てもらったことになります。
そして一連の公演を経験して、子供達の記憶のどこかに”能楽”というものが刻まれたという確かな手応えを感じました。
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帰りのバスで小学校を出発する時、ちょうど下校する小学生達が校門のところに出て来ました。
そしてみんな我々のバスに向かって手を振ってくれたのです。
最後まで温かい気持ちで巡回公演を終えることができました。
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また次の機会があれば、どこかの学校のまだ会ったことの無い子供達に、楽しい記憶として能楽が残るように頑張りたいと思います。
とても尊い経験になった巡回公演シリーズでした。
影向社の皆様始め関係者の方々に心より御礼申し上げます。