少しでも直すと…

今日の京大稽古は、来週月曜日の11月12日に迫った自演会「能と狂言の会」前の、最後の仕上げの稽古でした。

16時半過ぎにBOXに到着してから稽古を始めて、全て終わって時計を見ると23時をまわっていました。

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ずっと以前に、坪光松二先生の後を引き継いで現役の謡の稽古を始められた頃の米澤郁雄さんが仰られた言葉を今日思い出しました。

「現役達は、僕が少しでも謡を直すと本当に直したその通りに謡うので、ちょっと恐ろしくなりました。」

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つまり、教える側は僅かの間違いや曖昧さも許されないということで、これは中々のプレッシャーなのです。

そして私は今日現役達の仕舞の稽古で、米澤先輩と同じことを感じたのです。

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本番前の最後の稽古で、各人殆ど仕上がった状態の仕舞です。

おそらく急に修正しても直らないかもしれないと思い、「長期的に直れば良いので…」と前置きしてから直したことでも、現役達は即座に、驚くほど正確に修正してくれるのです。

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「この対応力は何なのだろう…」と内心半ば驚愕しながら、プレッシャーを感じつつ稽古をしました。

そして本番直前とは言え、もう直したいところは全部言ってしまおう!

と決意して稽古した結果、稽古終了時間が23時超えになった訳です。

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プレッシャーがかかる分、実に充実した稽古でもあり、彼らと稽古出来る喜びを今日も感じつつBOXを後にしたのでした。

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京大自演会「能と狂言の会」

11月12日朝9時始曲・金剛能楽堂

です。皆さま現役達の稽古の成果を是非ご覧くださいませ。

よろしくお願いいたします。

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