能楽師としての着付け方

今日は午前中の五雲会申合の後に、午後から夜まで江古田稽古でした。

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江古田稽古場では、来春に東京藝術大学を受験する高校3年生の男の子が稽古に励んでいます。

先日芸大邦楽科の実技試験の課題曲が発表され、今日はそのうちの仕舞「嵐山」と謡「羽衣」を稽古しました。

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それが終わると更に、紋付袴の着付けを稽古しました。

芸大の実技試験では、紋付袴を自分1人で着られないといけないのです。

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とてもぎこちない手つきで帯を締めている彼を見ていて、20数年前に芸大受験を控えた頃の自分を思い出しました。

私は京大宝生会では一応自分で着付けしておりましたが、それは紐を2本使ったりした「素人向け」の着付け方だったのです。

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当時楽屋に入れていただいていた七宝会で、能楽師としての正しい着付けと、紋付袴を畳んで纏める方法を先輩達から教わりました。

着付けはとにかく最短の時間で、綺麗に着る方法です。

畳んで仕舞うやり方も、紋付袴など一揃いをコンパクトにしかも皺にならないで、素早く仕舞えるという優れた方法でした。

「下っ端は、装束運んだりして最後に着替えを始めて、尚且つ先輩達よりも早く着替え終わって仕事にかからないといけないのだ」と言われ、家で毎日着付けを稽古したものです。

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江古田稽古場の彼も、ここから先ずは受験までの4ヶ月ちょっとの期間、毎日のように着付けと、畳んで仕舞うやり方を稽古してほしいと思います。

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