1件のコメント

初めての”照日の巫女”

今日は水道橋宝生能楽堂にて、明後日14日開催の「月並能」申合がありました。

私は能「葵上 梓の出」のツレを勤めさせていただきました。

.

180番ある能の曲のうち、ツレが登場するものは数多くあります。

そして不思議なのですが、何度も同じ曲のツレを勤めることもあれば、何故か全く縁の無いツレもあるのです。

.

能「葵上」は能の中でも上演回数が多い曲で、したがってそのツレも、大抵の人は何度も勤めている役です。

ところが私は過去20数年間にわたり、この「葵上」のツレには全く縁が無く、今回が初めての経験になるのです。

.

このツレは「照日の巫女」という名前で、”梓弓”というアイテムを使って生霊や死霊を呼び出す”霊媒師”です。

曲の冒頭、「照日の巫女」がワキ座で「天清浄 地清浄…」と祝詞を唱え始めると、舞台上に何やら怪しい気配が満ちていく感覚があります。

いつも地謡座でこのツレの謡出しを聴いて、「良いなあ、自分もやってみたいなあ…」と思っておりました。

.

そしてまた曲の途中で、本来ならシテ六条御息所の生霊が謡う筈の謡を、ツレ照日の巫女が謡うシーンがあります。

そこはやはりシテ生霊がツレ霊媒師に憑依して、その霊媒師の口を借りて喋っているというイメージだと思うのです。

.

その辺りを謡でどう表現するか、色々考えながら稽古するのがまた大変に勉強になる役でした。

日曜日の本番を精一杯頑張りたいと思います。

.

月並能は宝生能楽堂にて、

10月14日日曜日 14時始。

能「敦盛」シテ山内崇生

能「葵上 梓の出」シテ野月聡 ツレ澤田宏司

他 です。

.

皆さまどうか月並能にお越しくださいませ。

よろしくお願いいたします。

1件のコメント

  1. 七宝会、お勤めご苦労様でした。澤風会京都大会素晴らしかったですね。月並能伺います。楽しみにしております。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です