東広島こども園能楽教室
今日は東広島のこども園にて能楽教室をして参りました。
私がまだ小学生で、渡辺三郎先生に稽古を受けていた頃にお世話になった方が経営されているこども園です。
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新幹線こだまで東広島駅に到着して早々にびっくりしました。
新幹線ホームに人が溢れているのです。そして改札に向かう階段も大勢の人で埋まっていて、殆ど動きません。
「これは何か特別に混む日に当たってしまったのだろうか…」と思いました。私は度々そのようなことがあるのです。
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しかしそれは見当違いでした。
7月初めのあの豪雨による土砂崩れで、東広島の交通が甚大な被害を受けたのはニュースで見ていました。
それがまだまだ復旧しておらず、広島などから来る人や、東広島からどこかへ行く人は皆新幹線を使うしかない状況だそうなのです。
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ようやく新幹線東広島駅前の広場に出ると、今度はバス乗り場に並ぶ長蛇の列が。
これは本当に大変なことだと思いました。
もっと大きな問題として取り上げて、一日も早く復興出来るようにする方法は無いのでしょうか…。炎天下でバスを待つ人々はとても疲れているように見えました。
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私は園長先生に車でお送りいただいて、豪雨の爪痕を其処彼処に見ながらこども園へ。
到着して、子供の人数と年齢を詳しく伺いました。
そこで今日2度目のびっくりが。
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「子供達は、下は1歳から上は小学校高学年までいます。合計120人です。」
1歳…!
幼稚園での能楽教室は何度もやっていますが、さすがに1歳の子供に能楽を教えた経験はありません。
どうするか、うーむと考えました。
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とりあえず、年齢で2グループに分けてもらいました。
1〜4歳チーム約40人。
5歳以上チーム約80人。
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能楽教室は、先に1〜4歳チームから始めることにしました。
この子達は、何を知っていて何がわからないのだろうか…。
①「正座して挨拶」、②「左は太陽、右は水」、③「5つまでの数」この3つの説明から能楽教室をスタートしました。
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幸いに集中力があり理解も早い子供達で、摺り足や型の体験にちゃんと付いてきてくれました。
能面を見ても怖がらずに興味津々で、仕舞もお行儀よく見てくれました。
30分程の教室を無事に終えて、休憩を挟んで5歳以上チームのスタートです。
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こちらは普段通りの内容で良いので気が楽でした。
むしろサービスで内容を増やして、岡山で教えている「四海波」の謡や、猩々の仕舞まで稽古してしまいました。
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ちょっと長過ぎるかな?と思いましたが、やはり集中力を切らすことなく1時間程の教室を熱心に体験してくれました。
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1歳の子供に能楽がどう感じられたのか、聞く術もありません。
しかし願わくば、潜在記憶のどこかに残っていてくれたら良いと思います。
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園長先生のお嬢さんは、少しの間だけ私のように渡辺三郎先生に仕舞を習っていたことがあります。
今日私の仕舞「猩々」を見て、驚くことがあったそうです。
「園の運動会でのダンスを作った時に、無意識のうちに仕舞の動きを取り入れていたことに、猩々を見て気がつきました!」
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やはり潜在記憶は大人になっても残っているのです。心強く感じました。
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もし次の機会があれば、1歳児向けの稽古の研究もしてから臨みたいと思います。