100年後の関西宝連

昨日開催された関西宝連は午前10時半の始曲でした。

そしてその始曲時間の直後には、河村能舞台の見所に既に大勢のお客様が座っておられました。

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京大、同志社、甲南女子大などのOBOGがたくさん。実に懐かしい顔ぶれです。

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現役部員のご家族の方々。こちらも昨日は例年よりも多くいらしてくださったように見えました。

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関西宝連を指導している能楽師のお弟子さん達。もちろん澤風会の会員さんもいらしてくださいました。

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このような多彩な客層の皆様で、見所は一日中大賑わいでした。

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そしてまた楽屋と舞台も活気にあふれていました。

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復活してまだ3年目の神戸大学は、なんとこの春新入生3人と3回生2人を加えて、総勢8人での参加でした。

毎年倍々で増員しているので、「10年後には1024人で参加します!」と部長が豪語していました。

神大宝生会復活から今日まで、指導や稽古場の確保などあらゆる面で奮闘されてきたOBの方々は、心から嬉しそうな充実感溢れる笑顔で舞台を見守っておられました。

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吹田東高校は、2年生の女の子が1人だけだったのが、この春1年生の男の子が1人入部してくれたそうです。

しかも、高校の講堂であったクラブ紹介で、その2年生の女の子が自分で謡いながら仕舞を舞ったのを見て、感動して入ってくれたというのです。

自分で謡って舞うというのは大変難しく緊張するもので、本当に大したものだと思いました。

また吹田東高校宝生会のOGが現在2人、京大宝生会で熱心に稽古を続けてくれています。

昨日はそのOG2人に1年生の男の子を加えた地謡で2年生の女の子が舞うという、いわば「吹田東ドリームチーム」ともいえる舞台も素晴らしい出来でした。

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他にも個性的な新入生を大勢迎えて、とても一度には書ききれないほどのエピソードがありました。

関西宝連は確実に勢いを増しています。

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…夢のような話ですが、関西の学生達がこのままの勢いで50年、100年と弛まず活動していけばどうなるだろうと想像してみました。

今熱心に稽古している学生やOBOG達の中からは、嘱託や師範、或いは職分の能楽師が何人も生まれているでしょう。

彼らがまた新たな大学や企業の能楽クラブを作って指導している可能性も大いにあります。

そして関西が能楽宝生流の全国最大の拠点になっている…そのような未来が、昨日の学生の熱い舞台と満席の見所の向こうに微かに見えたような気がしたのです。

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