最古の薪能「興福寺薪御能」
今日は奈良の興福寺薪御能にて、辰巳満次郎師シテの能「俊成忠度」のツレ藤原俊成を勤めて参りました。
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「興福寺薪御能」の発祥は西暦869年にまで遡るそうです。
その頃はもちろんまだ「能楽」は存在しておらず、「修二会」という儀式に大和猿楽の楽師が出勤していました。
その後猿楽が発展して能が生まれ、「修二会」の儀式から「薪御能」へと変わっていったようです。
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現代では全国各地で沢山の薪能が催されていますが、その元祖と言える舞台がこの「薪御能」なのです。
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橋掛りが舞台の裏側を通ってついていたり、地謡や囃子方が素袍裃に侍烏帽子を着していたり、また薪能の開始時に「独特の儀式」があったりと、おそらくとても古い能の型式を残している催しなのだと思われます。
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今日は残念ながら天候の関係で、野外ではなく雨天会場のホールでの開催になってしまいました。
しかし考えてみれば、いにしえの時代には「雨天会場」などは無かったはずです。
その時代の薪御能の主催者は、天候に一喜一憂させられてさぞかし大変ことだったろうと思います。
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先ほど書いた「独特の儀式」の中には、芝の上に敷いた何枚かの紙を下駄で踏んで、そこに水がしみ出てこないか確認する、というものもあるのです。
これは雨上がりの状況で何とか舞台を行おうとした時の苦心の名残りだと思われます。
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明日も行われる「興福寺薪御能」。
明日は野外で開催されるように祈っております。