亀岡の花々〜春の使者達〜
「スプリング・エフェメラル」という言葉を初めて知りました。
日本語では「春の妖精」とも呼ばれる一群の花々のことをさす言葉です。
春先のほんの数週間だけ広葉樹林の林床を華やかに彩り、初夏にはもう跡形も無くなってしまうという儚い花達なのだそうです。
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今日の亀岡稽古ではその「春の妖精」に沢山出会うことが出来ました。
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先ずはカタクリです。
今日は天気が良かったので、花がよく開いて反り返っていました。
「片栗粉」はこのカタクリから作ると思っていましたが、採れる量が少ないために近年はジャガイモやサツマイモのデンプンで作られているそうです。
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キクザキイチゲ。漢字で書くと「菊咲一華」。
漢字の方が綺麗な名前だと感じます。
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また下の花は近い仲間の…
ユキワリイチゲ(雪割一華)。
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そしてムラサキケマン。
これらの花々は全て「スプリング・エフェメラル」に属するそうです。
年間の大半を暗い地中で過ごす彼ら(彼女ら?)は、ようやく地上に出られた喜びを競って表現するかのように、美しく可憐な花を咲かせているように見えました。
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「春の妖精」に近い表現で、日本でも古くから、「雪割草」と呼ばれるいくつかの花々があります。
このスハマソウもそのひとつです。
因みに先ほどの「菊咲一華」や「雪割一華」を「雪割草」と呼ぶ地方もあるそうです。
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ミツマタも満開になりました。
和紙の原料となるこの植物は「サキクサ」とも呼ばれます。
その意味は、「春になると他の花に先駆けて咲く」からとも、またこの花が縁起の良い花とされていたので「幸草」と称されたからとも言われるようです。
「三枝(さえぐさ)」さんという苗字の語源もこの「サキクサ」だそうです。
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新芽を取り囲むように小さな花が沢山咲いている変わった木がありました。
「クロモジ」です。
こちらは「楊枝」の原料になるので有名ですね。こんな花だとは知りませんでした。
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今日は他にも、
トキワイカリソウ
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トサミズキ
などなど、調べるのが追いつかないほどの多くの花々が咲いていました。
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桜も満開になり、まさに春爛漫という風情でした。