初花道行
一昨日書きました通り、今日の五雲会は「桜尽くし」の演目でした。
京都北野は「右近の馬場」の桜から始まって、「紫野雲林院」の桜を愛でつつ、最後は「鞍馬山」から天狗と一緒に飛び立って、吉野初瀬の桜まで残らず見物して舞台が終わりました。
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そして宝生能楽堂から外に出ると、時刻は17時過ぎ。
東京ドームホテルの向こうに夕陽が沈んでいきます。
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靖國神社の桜はまた今度にして、とりあえず水道橋交差点からスタートして、外堀通りを神田川に沿って歩いてみることにしました。
水道橋から御茶の水を経て秋葉原までの間には、ソメイヨシノが沢山植わっているのです。
靖國神社の桜は予想通り今日開花したそうですが、外堀通りはどうでしょうか…?
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先ず最初に見つけた桜はこんな感じ。
まだ蕾ですが、夕陽に照らされて今にも花開きそうで、これはこれで美しい姿だと思いました。
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しかし吹く風は冷たくて、この気温ではこの辺りの開花は明日以降かな、と半ば諦めつつ歩いていくと…
御茶の水橋の手前に、先ほどよりも更に膨らんだ蕾を見つけました。
本当に開花直前の状態です。
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そして、聖橋の下をくぐって少し行ったところで遂に…
見つけました。
私にとって今年の初桜です。
今年もこれから全国各地で色んな桜を色んな形で見ることになるでしょう。
その花見の始めが、この桜ということになります。
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しみじみと感じ入っている私の横を、人々は桜に目もくれずに通り過ぎていきます。
「桜が咲いてますよ!」と教えてあげたいとちょっとだけ思いましたが、やはり恥ずかしいのでやめておきました。
暫し一人で眺めた後に満足して、私は坂道を降りて秋葉原へと向かったのでした。
僅か20分ほどの、花見の道行でした。