郁雲会澤風会御礼

先週金曜土曜の郁雲会澤風会の2日間では、本当に無数のエピソードが同時進行的に起こっていたことと思います。

数多の物語がめでたく完結して、また多くの物語が次の章に進み、それと同時に未来に繋がるいくつかの新しい物語も始まりました。

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最年少5歳の男の子の初舞台「絃上」。

最高齢91歳の方の仕舞「葛城」。

桜色に美しく染められた着物で舞われた舞囃子「桜川」。

沢山の素謡(京大若手OBの素謡「大会」では、殆どのOBOGが無本で謡ってくれました)。

1人で無本で謡われた独吟「草紙洗」。

砧、忠度、笹之段を始めとする難しい仕舞や、一調「放下僧」独調「桜川」などの難曲に挑戦され、苦心して稽古を積んで本番を迎えられた皆さん。

早朝に京都や北陸や松本を出て来てくださった方々。

金曜朝一で仕舞を舞って、その後は受付などの仕事をよくやってくれた京大宝生会の現役や、若手OBOGのみんな。

初舞台や、稽古を始めて間もない会員さん達がとても堂々と演じられた素謡「橋弁慶」、また「羽衣キリ」などのいくつかの仕舞。

一人で何回も舞台に出てくれた人(素謡2番、仕舞、能のツレ、能の地謡の計5番をこなした人も)。

いつも母親を支えてくださっている郁雲会の皆さま。

毎回ゲスト出演いただく京大宝生東京OB会や、早稲田大学、東京大学OBの方々の重厚な舞と謡。

舞囃子を舞われた7人の会員さんはそれぞれ「楽」や「神楽」などの難易度の高い舞や、位の重い曲、思い入れのある曲に全力投球で挑まれました。

そして4番の能。

先ず金曜日には、松本から何度も東京にいらして稽古をしてくださった初シテの方が見事に舞われた「巻絹」。

土曜日にあった大曲「鷺」、「野宮」、「松風」では、今回もまた舞台上のシテ方、囃子方、ワキ方、狂言方に見所のお客様までも含めて、能楽堂が全部一体となって熱量を増していくような、気迫に満ちた舞台を体感することができました。

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…今思い出しながらつらつらと書いていっても、次々と色んな出来事が思い出されてとても書ききれません。

全てを書いたら1冊の本になるような、濃密な2日間だったと思っております。

宴会で辰巳満次郎師より「今回舞台に出ていて、”ああ、能って素晴らしいなあ。能をやっていて良かったなあ”と改めて思いました」という大変に有り難いお言葉を頂きました。

これはきっと私も含めて、参加してくださった皆様に共通の感覚であったと信じております。

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御礼の言葉もどれだけ尽くしても足りない気がいたしますが、今回の舞台でお世話になりました全ての皆様に、本当に心より御礼申し上げます。

どうもありがとうございました。

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