私の母親は「日本女子大学宝生会」の出身です。
なので、私が能楽の道に進むことになったのも、元を辿れば日本女子大宝生会があったおかげであるとも言えます。
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しかしながらこの日本女子大宝生会は20数年前になくなってしまいました。
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以来母親は、事あるごとに日本女子大宝生会を復活させたいと言って、様々な働きかけをしておりました。
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ちょうど一年前からは、日本女子大構内にある同窓会館「桜楓会館」の和室を毎週木曜日に借りて、稽古勧誘のビラを配って学生を待つ、ということもして来ました。
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しかし学生さんの反応は思わしくなく、木曜午後いっぱい桜楓会館で自分の稽古だけして帰ってくる、という日も何度もあったようです。
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私は神戸大学の復活にどれだけの苦労があったかを見て来たので、母親には「そう簡単には学生は来ないでしょう。3年は頑張る覚悟でないと」と言っておりました。
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ところが今日の江古田稽古の時に母親が、「実は学生ではないが、日本女子大の教職員7〜8人が集まって桜楓会館で稽古してくれることになった」と嬉しそうに言って来たのです。
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「学生ではない」と言っても、これは復活に向けての大きな一歩だと言えます。
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京大宝生会も、今の体制になる前には、教職員と学生が混ざって稽古していた時代があったと聞いています。
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まずはとにかく人を集めて、学内で稽古を始める。そして来春にその賑やかな稽古場を学生さんに見てもらえば、誰かが「自分も少しやってみたい」と思う可能性は十分にあります。
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去年の今頃よりも一段階現実味を帯びて来た「日本女子大学宝生会復活」。
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来年春の新歓には、私もデモンストレーションなど何か手伝いが出来たらと思っております。