作り物の出し入れ
今日は水道橋宝生能楽堂にて、明後日土曜日に開催の「五雲会」の申合がありました。
私は能「小督」の地謡でした。
この「小督」という曲には、ちょっと変わった作り物が出ます。
「片折戸(かたおりど)」という名前の作り物なのですが、これは本体の「扉」と、その左右に置く「柴垣」が5つの、合計6つの部品から成り立っています。
これを中入り後に後見が束ねて持って出て、舞台上でバラして舞台いっぱいに拡げて並べます。
そしてまたある場面になると、後見が全て束ねて持って帰る訳です。
この「片折戸」の出し入れは、作り物の出し入れの中でも複雑な部類に入るので、注目していただければと思います。
明後日の五雲会では、他にも能「枕慈童」では「藁屋」と「菊花付き一畳台」、能「黒塚」でも「柴屋」と「枠枷輪(わくかせわ)」という作り物が出ます。
「枠枷輪」は、「半幕」という特殊な幕上げ方法で舞台に出します。
また「藁屋」と「柴屋」は、ある重要なモノが中に入った状態で舞台に出すので、それを如何に見所に気付かれずに出すかが難しいのです。
…という訳で、明後日正午始めの宝生流五雲会。
「作り物の出し入れの様々な方法」という視点で見ても、色々と面白いと思います。
皆様どうかお誘い合わせの上、宝生能楽堂にお越しくださいませ。