七宝会重陽公演

今日はこれから香里能楽堂にて「七宝会重陽公演」に出演いたします。

二部制で第一部は舞囃子「枕慈童」と能「井筒」、第二部は舞囃子「小督」と能「船弁慶  後ノ出留ノ伝」です。

私は小督以外の地謡を謡います。

この中で能「船弁慶」には「後ノ出留ノ伝」という「小書」が付いています。

「小書」とは、特殊演出のことです。

能には小書が付く曲目が沢山ありますが、実は宝生流は五流の中では小書が少ない流儀なのです。

しかしその分、たまに付く小書は面白いものが多いです。

「船弁慶  後ノ伝留ノ伝」を初めて観たのがいつなのかは覚えていないのですが、鮮烈な感動を覚えたことは記憶しています。

・謡の速さを数箇所変化させる。

・シテの登場シーンと退場シーンを変化させる。

大まかにはこれだけの特殊演出で、特に大掛かりな作り物などもありません。

それなのに、通常演出とは印象が全く変わってしまうのです。

元々が究極的にシンプルな構成の能楽だからこそ、シンプルな変化で最大限の効果があるのでしょう。

通常演出の「船弁慶」を観たことがある方は勿論、先ず「後ノ伝留ノ伝」を観て、後日通常演出を観ても逆の感動があると思います。

「船弁慶」以外のプログラムも勿論お薦めです。

ご都合が合う方は、どうか本日の七宝会にお越しくださいませ。

よろしくお願いいたします。

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