「しでょう」「ごでょう」
数日前の「面白写真」のブログで、「かづき」のローマ字表記は「KAZUKI」で良いようだと書きました。
現在は「ず」と「づ」は全く同じ発音なので同じローマ字表記で良いということなのです。
「KADUKI」はPCで入力する時の書き方だそうです。
「現在は」と書きましたが、実は古い日本語では「ず、づ」の発音が異なっていたそうなのです。
ここから派生して思い出したことがあります。
辰巳孝先生に昔、「四条」「五条」は少し前までは「しでょう」「ごでょう」と発音していたと伺ったことがあるのです。
これも古い発音の例なのでしょう。
しかしこの発音は現在の謡には全く残っておらず、能「熊野」でも「しじょう ごじょうの 橋の上」と謡っています。
また、宝生流には古い日本語の発音が残っている場合があり、「せ、ぜ」を「しぇ、じぇ」と謡う時があります。
例えば能「国栖」では「根芹」を「ねじぇり」と発音すると教わります。
ただしこれも私が聴いている限りでは、はっきり「じぇ」と謡う方と、「ぜ」と「じぇ」の中間くらいの発音で謡う方と、個人差があるようです。
日本語の発音が変化して来たとすると、室町時代から変わらず伝えられて来た筈の謡の拠り所が揺らぐような、心許ない気持ちにもなります。
しかしこれはごく一部の例外的な話で、大半の謡の発音は、やはり古い日本語の発音が残っているようです。
私が生きているうちにタイムマシンが発明されたら、室町時代に行って、当時の能楽師と謡の発音を比べてみたい、というのも夢のひとつです。
30年以上前に近畿地方に住んでおりました時に、近所のやんごとなききはなる風情のお嬢様(当時小学5年生)が「授業」のことを「じゅげう」と書いていました。発音するときは「じゅぎょう」でした。下級生の私でしたが、何度も「げうじゃなくて、ぎょうでしょう」と言ってみたのを覚えています。でも彼女は「こう書いて『ぎょう』と読むのよ」と言っていました。これって本当に伝統を受け継いでおられたということなのでしょうか??
中国語で「条」はたぶん「ディヤオ」という感じなので、ひょっとしたら昔の日本語も中国語に近くて、だから「で」の入る音になっていたのかもしれませんね。「業(げう)」の元の音はよくわかりませんでした。
ヅとズは、文章では使いわけられてます。気づくで気ずくとは書きません。カとクヮ。菓子をクヮシと読む方言があります。
国語辞書は、新仮名遣いと旧仮名遣いが併記されてます。私の短歌の師は、旧仮名遣いにこだわる方なので、今でも広辞苑でたしかめます。
k.S.様 こんにちは。Joeです。旧仮名づかい、なかなか習得できないでおります。
「帖(でふ)」「条(でう)」「定(ぢゃう)」「盛者(じゃうしゃ)」
全て違って、難しい…。
ちなみに私は Joe(じゃう)でいいのかな? ぢゃう? でょうではないと思うのですが。
中国語の発音を日本語のかな表記するのは難しいのですが、JOEは じょう と新仮名遣い表記でよいのではありませんか?
K.S様 有難うございます! どうでもいいことを聞く奴だと思われていないことを切に祈るものであります。やはり、発音からということですよね。日本語、とても面白いです。室町時代の発音なども、本当に知りたいです。
辞書引きながら勉強してみました。
今度じゃうらくした折には、しでうの橋近くの店で、うぢじふでふでも読みながら、呑みすぎておかんぢゃうにびっくりせぬようにしたいものです。