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前川七曜会

今日は京都観世会館にて、太鼓の発表会「前川七曜会」に出演して参りました。

澤風会でも太鼓のお稽古をされている方が沢山おられて、今回紫明荘稽古場より1名、松本稽古場より3名が居囃子と独調で参加されました。

「居囃子」と「独調」は、ともに舞い手はおらずに地謡と囃子方だけの舞台です。

今日それらの地謡を謡ってみて改めて気がついたのは、「姿勢の大切さ」でした。

舞囃子の場合、どうしても動いているシテに眼がいきますが、今日の見所は皆さん太鼓を中心にお囃子と地謡に視線を注いでおられます。

間が正確で手が合っている事は勿論必要なのですが、やはり背筋をスッと伸ばして、手の動きも綺麗な人は一段と素晴らしく見えました。

地謡においても、小さな作法ひとつひとつを折り目正しく美しくすることが、その舞台を引き立てることに繋がると思いました。

また違う話で、「独調」とは太鼓と地謡の一対一の舞台ですが、同じ一対一でも「一調」という形式があります。

一調は太鼓の手組が通常と変わって、非常に難しくなります。通常の手をある程度知ってから一調を見ると、思わず笑ってしまいたくなる程に多彩で複雑な手組なのです。

今日は太鼓一調を何番も拝見出来て、その目眩くような手の変化に内心「おお!」と驚いたり、思わずニヤリとしたりしました。

能楽は、楽器一種類だけでも宇宙的な広がりと深さを持っていますが、今日は太鼓という楽器の深遠についても再認識できました。

私自身にとって、とても勉強になる会でした。

…今日は広島の原爆忌です。72年前に亡くなった母親の家族達を思いながら、今日も精一杯舞台を勤めさせていただきました。

1件のコメント

  1. 太鼓って(ほかの楽器もなのですけれど)、奥が深くて面白そうですね。お囃子は確かに、その音だけでなく視覚的にも、見ていて背筋が伸びる気がいたします。その二つの美しさが相俟ってワクワク、ゾクゾクさせられるのですね。
    広島原爆忌、ご先祖様のご冥福をお祈りいたします。澤田先生を通じて能の世界を知るきっかけをいただけましたことに感謝しつつ…。

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