紛らわしい地謡
昨日は京大宝生会現役の稽古でした。
全宝連東京大会の舞台を約2週間後に控え、大変熱のこもった稽古になりました。
先月の関西宝連から仕舞の演目を変える部員が沢山いる為、シテもさる事ながら地謡が苦労することがあります。
謡の中には、非常に似通った言い回しが出てくることがあるのです。
例えば羽衣クセと半蔀クセで「内外の神の御末にて」と「御嶽精進の御声にて」。「みすえにて」と「みこえにて」が紛らわしいのです。
また竹生島と嵐山で「有縁の衆生の諸願を叶え」と「悪業の衆生の苦患を助け」。同じ曲で「国土を鎮め」と「国土を照らし」。
また国栖と嵐山でも、同じ「一足を引っさげ」という文句の後に「東西南北〜」と続くか「悪業の衆生の〜」と続くか等々、キリがありません。
別々の舞台で謡うならばそれ程問題にはならないのですが、これら全部が同じ日にある時には結構大変です。
しかも昨日の稽古は19人フル参加だった為、長い人では「謡い放題7時間コース、舞囃子付、食事無」だったので、気力体力も限界に近かったと思います。何度か地謡が上のような紛らわしい文句の罠にはまって、ちょっとだけ混乱していました。
まだ本番まで2週間ありますし、地謡は一番につき4〜5人いるので、何とか頑張ってほしいものです。