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稽古用の長刀

能には何番か「長刀」を使うものがあります。更にそのうちの何番かは仕舞や舞囃子になっているので、澤風会でも常にどなたかが長刀の稽古をされています。

この長刀は扱いがなかなか難しいのですが、実はそれ以前の難しい問題があります。

「稽古用の長刀をどう調達するか」

ということです。

本物の長刀は2メートル以上あって、とてもかさばります。

出来れば折りたためて持ち運べる軽量のものが望ましいのですが、例えばこれまでのお弟子さんの例を挙げると…

①押入れの突っ張り棒に100円ショップで購入したスポンジ状の刀を結びつける。

②折りたたみ式の釣竿に、ご主人お手製の刃をテープで固定。

③園芸用の支柱をそのまま使用。刃は無し。

④頑張って自分で木工作業をして作製(本番にも使えるレベルでした)

といった感じです。

そして昨日の紫明荘稽古。

新しく長刀物の稽古を始めるお弟子さんが、実に素晴らしい長刀を持って来られました。

やはり突っ張り棒を柄にする点は①と同じなのですが、刃の部分に調理用の「木べら」をテープで固定されていたのです。

へらを刃に使うと大きな利点があります。

・しゃもじと違って形が非対称なので、どちらが峰でどちらが刃なのかが良く分かる。

・軽量でかさばらない。

・稽古が終われば料理にも使える。

何より、「家の中にある物だけを使って、全く違う用途の物を作製する」という行為が私自身実はとても好きなので、このような長刀は大変好ましく思うのです。

という訳で、これから長刀の稽古をしようという方は、釣竿か突っ張り棒に、調理用の木べらを固定することを強くお勧めしたいと思います。

…勿論、折り畳み式の立派な稽古用長刀も販売されております。念のため。

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  1. 奈良遥か、旅愁を抱き、単衣着つ、羅の帯巻けば、野の草の詩
    かきつばたの章を読んだ直後に作って見たのですが、送るのをためらっているうちに、雑事に追われて今日になってしまいました。考えている間がとても楽しかったです。

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