最後まで油断しないこと

本日は水道橋で、今度の日曜日にある舞台の申合がありました。

その折に先輩から、先日の能百万に関して貴重な御注意をいただきました。

「曲の最後に子供と再会する場面で、再会出来た喜びや子供を慈しむ気持ちが、もうひとつ足りなかった」という事です。

いわゆる狂女物では、最も動きがあって華やかなのは、むしろ再会する直前までの部分なのです。

今回の百万でも、「笹之段」や「二段グセ」、また子供を探す特殊な「カケリ」の舞などには心を砕いていました。

しかしそれらが全部済んだ後の再会シーンは、決しておざなりにしたつもりは無いのですが、気持ちが足りないと言われると確かにそうだったかと思います。

武道における「残心」と、ちょっとニュアンスは違うとは思いますが、一番を通して微塵も油断無く最後まで演じ切る事の難しさを再認識いたしました。

次のシテである、7月15日の五雲会での能「半蔀」に、この教訓は必ず活かしたいと思います。

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