2022年あけましておめでとうございます

皆様 2022年あけましておめでとうございます。

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昨年はコロナ禍が収まらない中でも3月に京都、10月に松本で澤風会を開催する事ができました。

学生の活動も全宝連は映像配信になりましたが、関宝連と関西宝連、そして京大の自演会は何とか有観客で開催されました。

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今年は先ず3月の5日(土)6日(日)に水道橋宝生能楽堂にて「東京澤風会・郁雲会大会」を開催いたします。

東京での澤風会は1年半ぶりで、能「井筒」、能「葵上」、能「夜討曽我」を始め舞囃子も多く出る予定です。

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そして9月24日(土)には京都大江能楽堂にて「澤風会京都大会」、10月には「松本澤風会大会」を開催予定です。

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私の演能予定としては、

①1月15日(土)五雲能にて能「巴」

於宝生能楽堂

②4月23日(土)七宝会にて能「羽衣盤渉」

於枚方市総合文化芸術センター

③5月27日夜能にて能「小鍛冶白頭」

於宝生能楽堂

の3番が予定されております。

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コロナの先行きはまだ不透明ですが、気をつけながら何とか頑張って稽古して参りたいと思います。

皆様本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。

声が大きくなった!

私が学生の稽古をしている時に、一番嬉しいと思うのは、実は学生の謡を聴いて

「声が大きくなった!」

と感じた瞬間なのです。

非常にシンプルなことですが、小さかった謡の声が大きくなっていくのを聴くたびに、しみじみと感動してしまいます。

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私は関東と関西で大学生を教えていますが、コロナがようやく落ち着いてきた秋以降には、以前のように月2回ペースで稽古ができるようになりました。

そして最近、東西それぞれの大学で「声が大きくなった!」と感動した瞬間があったのです。

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先ずは京大宝生会で、11月の自演会に向けた稽古をしている時でした。

今の現役には何人か、元々とても声の大きな学生がいました。

それに比べるとやや声量が少なかった学生が、仕舞のシテ謡で驚くほど大きな声を出してくれたのです。

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周りの大きな声に乗せられて、それまでの殻を突き破った感じでした。

今後さらに声量が増える事を期待しています。

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そして関東では、先週末にあった「関宝連自演会」に向けた稽古でのこと。

江古田稽古場で日本女子大学と國學院大学の学生が合同で素謡「小袖曽我」の稽古をしていました。

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今回の「小袖曽我」では途中でツレ母の長い語りがあり、その中で母が激昂して声が大きくなる箇所があります。

それまでの稽古でも母は大きな声を出せていたのですが、私はあえて

「一番怒っている時の謡の声量を標準にして、そこから更に大きくしていけると良いね」と言ってみたのです。

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すると母の謡が劇的に大きくなって、それにつられるようにシテ十郎とツレ五郎の謡も大きくなったのです。

私は「声が大きくなった!」×3乗の感動を味わうことができたのでした。

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しかし、まだまだ満足してはおりません。今回は本を見ながらの素謡でした。

次回来年6月の「全宝連東京大会」では、無本で、更に大きな声で謡ってもらおうと思っています。

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次回の全宝連は、東西の学生が無本で大きな声で謡を競い合う、熱い舞台になってほしいと願っております。

東西合同学生zoom稽古

昨日の日曜日は江古田稽古場にて終日リモート稽古でした。

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SkypeやLINEを使って、松本、京都、東京の澤風会会員さん達と1人ずつ謡の稽古をしていきます。

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日が暮れて最後のリモート稽古になりました。

zoomのリンク先にアクセスすると、それまでの個人稽古と違って何やら賑やかな雰囲気です。

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zoom会議室には、8人の大学生が集まってくれていました。

京大宝生会の2回生から大学院生、また日本女子大、國學院大の学生達です。

普段はこれに自治医科大も加えて、東西4大学が合同で「夜討曽我」の謡の稽古をしているのです。

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当初は8月に2回だけ、夏休み特別企画として東西合同zoom稽古をするつもりでした。

しかしやってみると意外にスムーズに稽古できて、それぞれの学校にとって良い刺激になっていると感じたのです。

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そこで9月に入っても東西合同稽古を継続して、昨日で4回目になりました。

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未だに大学ではオンライン授業が主で、友達と皆で賑やかに過ごす事もできない大学生達です。

せめてこのzoom稽古の中で、全国に同じ宝生流を稽古している仲間がいる事を実感してもらえたらと思います。

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そしてそう遠くない未来に、彼らが現実の舞台で思う存分に競演してほしいと願っているのです。

挑戦の関宝連

少し前になりますが、12月12日土曜日に水道橋宝生能楽堂にて「関東宝生流学生能楽連盟自演会」が開催されました。

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例年は年2回開催のところ、6月が中止になったため今年唯一の関宝連になりました。

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私は関宝連においては、日本女子大2人、自治医科大6人、そして江古田稽古場でずっと稽古してきて今年國學院大に入学した学生1人を教えています。

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ところが残念ながら自治医科大は、感染拡大防止で学外に出られないために今回参加が叶いませんでした。

つまり、京大宝生会出身の自治医科大の青年が来られなくなった訳で、「地頭がいない」という危機的状況になってしまったのです。

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しかし日本女子大の2人と國學院の1人は非常な頑張りを見せてくれました。

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素謡「竹生島」では日本女子大がシテとツレを、國學院がワキを勤めました。

そして通常よりもかなり距離を取って3人が横一列に並びます。

常座、正中、ワキ座、という感じの距離感でした。

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距離が離れると謡を合わせるのが難しくなってしまいますが、3人の地謡は声が良く揃っていました。

更に、回数を重ねたzoom謡稽古によって個々の声量が格段に大きくなっていて嬉しい驚きでした。

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この3人はそれぞれ「紅葉狩」「竹生島」「玉葛」の仕舞も舞って、こちらも少ない稽古回数ながら急成長のあとを見せてくれました。

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そして地謡も。

國學院大4年生の舞囃子「船弁慶」では、江古田で稽古してきた國學院1年生が初めての”舞囃子地謡”に挑戦したのです。

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その船弁慶の地謡は、4年生1人と1年生1人の合計2人だけです。

しかも1年生は初舞囃子地謡。これはかなり困難なチャレンジです。

本番ギリギリまで、國學院宝生会指導者の佐野玄宜さんと一緒に稽古舞台で稽古をしました。

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舞囃子船弁慶の本番は、私は能「加茂」の装束付けをしていて見られませんでしたが、佐野玄宜さんによれば無事終わったという事で安堵しました。

玄宜さん「終わって帰ってきたら、シテも地謡も座り込んで放心状態でしたよ(笑)」

それはそうでしょう…。

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このように今回の関宝連は、それぞれの学生が高いハードルに挑んでそれを何とかクリアするという、非常に貴重な経験を積む事が出来ました。

コロナの影響を逆手にとって、皆が一気に大きく成長してくれたのです。

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そして今回参加が叶わなかった自治医科大宝生会も、勿論zoom謡稽古は続けています。

今年は新しく2人部員が増えて、合計6人になったとのこと。

その自治医科大が戻ってきたら、次回以降の関宝連ではより強力な布陣で目を見張るような舞台をお見せ出来ると思います。

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一方で関西では京大宝生会が、もがきながらも懸命に活動を続けています。

全国の大学の中でもおそらく最も厳しいサークル活動制限が敷かれている中での京大宝生会の不屈の苦闘の様子は、また数日後に書きたいと思います。

全宝連があるはずだった日

今日6月27日と明日28日には、金沢の石川県立能楽堂にて「全国宝生流学生能楽連盟自演会」が開催される予定でした。

しかし残念ながらコロナウイルスの影響で開催見合わせになってしまいました。

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全国から舞囃子もたくさん出る予定だったので、間違い無くとても熱い舞台が繰り広げられたはずなのです。

誠に無念の極みです。

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しかしながらこのような状況でも、京大宝生会の学生達は出来る稽古に地道に取り組んでいます。

昨日もzoom稽古をいたしました。

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交代で声を出しての鸚鵡返しで、1人最低ひとつは改善すべき点を指摘するようにしています。

今回は特に2回生がいくつか大事な節を覚えてくれました。

皆着実に進歩しています。

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さらについ先日には部長から、

「活動再開したら見学したいという新入生がいます。zoom稽古でも見学してもらって良いでしょうか?」

という内容のメールが来ました。

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きっと全国の宝生流の学生達も同様に、今出来る活動を懸命に模索して頑張っているのでしょう。

その努力が報われる日が早く来るように、そしてたくさんの学生達が一堂に会しての賑やかな舞台がまた戻ってくるように心から願っています。

私も出来ることを地道に続けて参りたいと思います。

炎を絶やさないために

昨日は昼から夜にかけて、学生関係のzoom稽古を3団体続けていたしました。

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最初は京大宝生会若手OBOGの皆さん。

炎に例えれば、長い時間をかけて燃え続けて、燠火のように安定した強い火力を持っている彼らです。

今回は新しい課題曲「難波」の初め〜クリまでを鸚鵡返ししました。

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次の団体は京大宝生会の現役達。

こちらは炎で例えると、今まさに元気よく燃え盛る大きなキャンプファイヤーのようです。

前回に続いて「兼平」を、今回は最後まで鸚鵡返しし終えました。

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そして最後は、自治医科大と日本女子大の合同稽古でした。

そこに、澤風会で幼稚園から稽古を続けて今春もう大学生になった女の子も加わって、賑やかな団体稽古になりました。

彼らはようやく灯されたばかりの、小さく若い炎のようです。

「土蜘」を一番最初から、ゆっくり解説しながら鸚鵡返ししました。

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大きさや形はそれぞれ異なりますが、これら学生関係の団体はどれもとても大切な炎なのだと思います。

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今はその炎に向けて、不恰好なあおぎ方で遠くから風を吹かせることくらいしか出来ません。

しかし今回の大変な災厄に負けずにずっと燃え続けていけるように、なんとか少しずつでも新しい薪をくべて、新鮮な空気を送っていきたいと思っております。

新しい歴史を刻みつつ

今日は先週木曜日に続いての江古田稽古でした。

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そして先週に引き続いて、日本女子大の学生2人が夕方に稽古に来てくれました。

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昨年末の「関宝連」での初舞台が無事に終わった後、それぞれ新しい仕舞に取り掛かっています。

「高砂」と「熊野クセ」です。

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やはり初舞台を終えると、構えや型が一段階上手になっています。

この2番の仕舞を、先ずは来月の「澤風会郁雲会」で一度舞ってもらう予定です。

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そしてその舞台を経て、さらに稽古して6月の「関宝連」で完成させる計画なのです。

3月の澤風会郁雲会では、ついに京大宝生会との競演も実現します。

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去年の今頃にはまだ影も形も無かった日本女子大宝生会が、着実に新しい歴史を刻みながら、一歩ずつ進み続けているのです。

今年の日本女子大の活躍にもどうかご期待くださいませ。

4件のコメント

初めての関宝連

今日は水道橋宝生能楽堂にて「関東宝生流学生能楽連盟自演会」が開催されました。

私は初舞台の「日本女子大学」と「自治医科大学」の付き添いとして参加いたしました。

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全くキャラの異なるこの2校。

パワフルでどこか豪快な自治医大と、

折り目正しくお淑やかな日本女子大です。

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しかし今日はこの2校が協力し合い、また東大宝生会の皆さんのお力もお借りして、初舞台の仕舞と素謡を全て無事に終えることができました。

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私は「関宝連」のことをもう遥か昔から知っていましたが、まさか自分自身が参加することになろうとは…!

つい1年前までは思いもよらないことでした。

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今日一日で、関西とはまた違う関宝連の雰囲気を体感してとても興味深く思いました。

そして京大宝生会からも大勢が観に来てくれて、関宝連の学生さんと楽しく交流していたようです。

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今回はお客様の人数が前回から倍増していたということで、とても賑やかだった関宝連。

来春には日本女子大と自治医大ともに新入生を増やして、関宝連をますます賑やかに出来ればと思います。

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そして京大宝生会など関西の学生達との繋がりもますます密になっていくと、色々と面白いことになりそうです。

新しい縁がたくさん結ばれて、未来への予感に満ちた関宝連の一日でした。

日本女子大も準備完了です

今日は江古田稽古でした。

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また新しい方が見学に来られたりと、色々なことがありました。

しかし今日特筆すべきは、日本女子大の2人の学生に関宝連前最後の稽古をしたことでしょう。

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もう明後日に迫った「関東宝生流学生能楽連盟自演会」です。

日本女子大はそこで素謡「鶴亀」と、仕舞「鶴亀」「玉葛」を出すのです。

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2人は実は昨日も江古田稽古場に来たそうで、母親の稽古を本番さながらに着物を着て受けたということでした。

今日は着物ではありませんでしたが、仕舞、謡共に作法を含めて本番通りに稽古しました。

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2人とも順調に仕上がっていて、よく稽古してくれたのがわかりました。

とは言え明後日は”初舞台”です。

非常に緊張するのは間違いないでしょう。

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稽古通りに出来るように、明後日は精神面も含めてサポートしたいと思います。

自治医大も加えて、私自身も初の「関宝連」をとても楽しみにしております。

これから始まる歴史

少し時間を遡って、今週月曜日のことです。

京大宝生会が火曜日に能「竹生島」などの熱演でまた部の歴史に大きな一歩を記した、その前夜のこと。

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私は栃木県の自治医科大学に稽古に行きました。

彼らの初舞台である「関東宝生流学生能楽連盟自演会(関宝連)」がいよいよ来週末12月7日に迫って来たのです。

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内容は仕舞「鶴亀」「葛城クセ」と素謡「鶴亀」で、出入りの作法などを含めて時間をかけて丁寧に稽古いたしました。

何しろ、

「当日の着物はどうしましょう?」

「帯もありません…」

「そもそも、部の正式名称を考えないといけないのです。何か良い案はありますでしょうか…?」

まだまだ万事がこういう感じなのです。

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手探りで初舞台へと進んでいる彼らですが、謡と仕舞はとても良い仕上がりになって来ました。

同じように手探りで稽古している日本女子大の2人を含めて、当日は良い初舞台をお目にかけられることと思います。

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長い歴史を刻む部があれば、これから新しい歴史を始める部もあります。

12月7日土曜日、宝生能楽堂にて正午開始の

「関東宝生流学生能楽連盟自演会」。

もちろん自治医科大学と日本女子大の初舞台以外にも、舞囃子、仕舞、素謡など見応えのある番組になっております。

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新たな歴史の始まりを少しでも多くの皆様に御覧いただきたく思います。

どうかよろしくお願いいたします。