北極や砂漠に比べたら…
今日から8月になりました。
私は涼しい青森から一気に日本を縦断して亀岡稽古にやって参りました。やはり関西の暑さは半端ではないです。。
今回の移動では、私は新しい文庫本を旅の友にしました。
自宅にある、まだ読んでいない本の山から一冊選んだのですが、その本を選択したのには実は暑さ対策の意味もありました。
題名は「アグルーカの行方」。角幡唯介という早大探検部OBの探検家の北極探検記です。
1845年の北極探検で、隊員129人が全滅した英国フランクリン隊。
その足跡を日本人探検家2人が辿るという内容です。
まだ読み始めで2人の旅も序盤なのですが、極地帯の猛烈な寒さと、雪と氷に悩まされる描写がふんだんに出て来ます。
これを読むと、「今日の暑さも極地の寒さに比べたらまだマシかな」と思えて来ます。
更に昨日の深夜、たまたま付けた青森の宿のテレビで「熱砂の海を走り抜け!ナミブ砂漠250kmグレートレース」というドキュメンタリーをやっていました。
アフリカの砂漠地帯を1週間かけて、水や非常食、寝袋などの荷物を背負いながら走る過酷なマラソン大会です。
日中の気温は摂氏45℃まで上がり、日射しを遮る物など全くない中で、1日に最長70km以上を走破した鉄人達の話です。
ある女性は戦乱の祖国に勇気を届ける為に、必勝を誓って参加しました。
またある青年は、貧困から抜け出す為にプロのランナーになり、やはり勝利が絶対に必要だと語っていました。
最高齢71歳の男性は、「あらゆるトラブルやストレスを楽しんで走っているよ」と笑顔で走って行きました。
そして男子の総合トップはなんと日本人で、常に微笑んでいるような涼しげな表情のまま、信じられない速さで砂漠を疾走していました。
この昨夜の番組を思い出すと私はまた、「ナミブ砂漠のグレートレースに比べたら、今日の気温など涼しいものだ」と思えて来ました。
…というわけで、極寒の北極に消えた129人の探検隊や、灼熱のナミブ砂漠を熱い想いを持って走り抜けた人達を想像しながら、今日も私は汗かき稽古に励んだのでした。