稽古延長のおかげで

昨日は京都の「ゲストハウス月と」での澤風会稽古でした。

11時頃に始めて、17時頃に終えて東京に戻るだけの予定だったので、割合にゆったりとした気持ちで稽古を進めていきました。

16時半を過ぎて、おそらく今いる人達の稽古で終わりかな…と思いながら謡の稽古をしていた時のことです。

2階の稽古場に上がってくる人の気配がしました。

「この時間に来るのは、おそらく京大OBのV君かな…」

と思っていると、意外にも顔を出したのは先程稽古を終えて帰った筈の京大OGさんでした。

京大OGさん「すみません!御礼をお渡しするのを忘れていました!」

なんと。

次回でも全然良かったのに、律儀に戻ってきてくれるとは。

かえって申し訳なかったと思い、

「わざわざありがとう。せっかくなので、もう一度稽古していきますか?」

そして先程始めたばかりの「楽(がく)」という舞の続きを稽古することにしました。

時間はちょうど17時頃。

今度こそはこの稽古で終わりかな…と思いながら稽古をしていると…

なんとまた階下から上がってくる人の気配が。

そして顔を出したのは、また意外な事にゲストハウスの亭主さんと、外国人のゲストさんでした。

まだ若いゲストさんは、大きな目を好奇心でキラキラ輝かせて、「楽」の稽古を一心に見つめています。

稽古を終えてお話しをしてみると、カリフォルニアから来た方で演劇をやっているという事でした。

「私のやっている演劇とは全く異なる舞台芸術を観ると、世界が広がります!」

なるほど、その通りですね。

そしてまたせっかくなので、OGさんに地謡をお願いして私が「羽衣キリ」の仕舞を舞ってみました。

ゲストさんはやはり目を輝かせて観てくださり、

「あの扇の動きは何を表現しているのですか?」などと益々興味を持ってくださったようでした。

思えばOGさんが律儀に戻ってきてくれなかったら、このゲストさんに会う前に私は帰っていた筈なのです。

これもまた不思議なご縁で、とても嬉しい事でした。

…ちなみに、ゲストさんは全部英語だったので、上の会話はすべて片言の英語と、翻訳アプリを介して行われました。

やはりもっと英語を話せるようになりたいと、痛切に感じたのでした。