御先祖様の物語
今日は松本稽古でした。
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松本ベテラン組の謡は、今「兼平」を稽古しています。
鸚鵡返しが丁度キリの部分からで、兼平の最
期の有り様を一句ずつ稽古していきました。
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そのキリの鸚鵡返しが終わって、曲の最初に戻ってお浚いに入るところで、”兼平の子孫”に当たる女の子のお母様が稽古にいらしたのです。
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もう一度鸚鵡返しは時間的に無理でしたが、せっかくなので「兼平」のクセとキリを私が続けて謡って、それを聴いていただきました。
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木曽義仲と今井四郎兼平の最期の戦いを活き活きと描写したクセキリは、何度謡っても心が熱くなります。
まして、それが自分の御先祖様の物語だったとしたら…。
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私「この謡を、是非お嬢さんに聴かせてあげてくださいね。自分の御先祖様が能になっている人なんて、滅多にいないのですから」
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実はお嬢さんは今受験で稽古お休み中なのです。
最期まで強く生きた兼平のように、受験勉強もギリギリまで全力で頑張ってもらいたいと思います。
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稽古を終えて晩御飯を食べて外に出てびっくりしました。
雪が降りしきっていたのです。
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駐車場の車にも積もり始めていました。
明日朝にはどんな景色なっているのだろう…
と思いながら、ジャケットの雪を払いつつ宿に急いだのでした。