元気溌剌の子供達
今日は埼玉県北部の神川町での小学校巡回公演に出演して参りました。
私は能「黒塚」のシテを勤めました。
私にとっては今年度最後の小学校巡回公演です。
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この巡回公演では能「黒塚」の前には狂言「柿山伏」が演じられます。
今日はその「柿山伏」の途中で、子供達が非常な盛り上がりを見せていました。
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いくらなんでも受け過ぎでは…
と思うほどの大歓声でしたが、何とその時に、演者の装束の襟元にカマキリが止まっていたそうなのです。
能楽堂以外の公演では、全く思いもよらない出来事があるのだなあと驚きました。
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しかしそのカマキリの件を抜きにしても、今日の子供達はこれまでで一番元気で声が大きく、良い意味で活気に溢れていました。
御囃子の掛け声を体験する時や、「千秋楽」を謡う時など、あまりの大きな声にびっくりして思わず笑ってしまう程でした。
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聞けばこの辺りの土地には、平安の昔から続いた「武蔵七党」と呼ばれる武士団のひとつがあったそうです。
小学校の校歌にもその名前が歌い込まれていました。
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もちろん現代の小学校は武士とは全く何の関係もありません。
しかし今日の子供達のあの好ましい活力は、かつてこの辺りで活躍した武士達の勇ましさを何となく想起させるものでした。
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子供達がこの先もずっとあのように溌剌と元気に育ってくれることを願って、今年度最後の小学校を後にしたのでした。