彦根城能に出演して参りました
今日は「彦根城能」に出演して参りました。
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彦根城能舞台は江戸時代の寛政12年に作られたという舞台です。
橋掛りがかなり斜めに付いているのも、歴史ある能舞台の特徴なのです。
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今日の能「望月」の子方は、フルサイズの”羯鼓”の舞があるなど色々と難しい役です。
今回勤めた男の子は、非常に気合いの入った良い演技でした。
聞けばお父さんとお兄さんも以前に「望月」の子方を勤められたそうで、きっとこの役には期する所があったのでしょう。
舞台を無事に終えた男の子は、ひとつ大人になった良い顔をしていました。
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「望月」の地謡座に座っていると、途中でなんだか袴に入れた手が非常に痒くなってきました。。
目だけを動かして辺りを見ると、なんと沢山の蚊が飛んでいます…。
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地謡座では動けないので、「耐えるしかないか…」と思ったところで、ふと気がつくことがありました。
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能「望月」の舞台は”近州守山の宿”で、この彦根からも比較的近い場所です。
そして”近州守山”とは、古来「蚊の産地」として知られているのです。
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「人間ほどもある蚊がいる」という伝説もあって、そんな人間大の蚊が出てくる「蚊相撲」という狂言もあるくらいです。
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なので、
「歴史ある舞台の上で、名高い名所の蚊に刺されるのもまたひとつの思い出になるか…」
と痒さを我慢して地謡に没頭していったのでした。。