感動的な「四海波」
今日は東京のホテルにて、宝生流若手能楽師の金森良充君の結婚披露宴に出席して参りました。
私が内弟子頭をしていて、もうすぐ卒業という時に内弟子に入ってきて、少しの間ですが宝生能楽堂で生活を共にした仲間です。
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能楽師の結婚披露宴では毎回恒例の、「四海波」の謡が今回も乾杯の前にありました。
披露宴会場にいる全ての能楽師(百数十人)が一斉に立ち上がって、重鎮の亀井保雄師の「四海波静かにて」の御発声に続けて「国も治まる時つ風…」と謡い始めます。
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高砂席をみてハッとしました。
我々が謡い始めてほんの少ししか経っていないのに、新婦が涙を拭っているのです。
「四海波」はおそらく2分弱程の短い謡ですが、その間新婦はずっと涙をふいていました。
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確かに、披露宴会場のような天井が高く音が良く響く場所で、100人以上の能楽師が一斉に謡うと迫力があります。
しかし感動して涙まで流して貰えるとは、逆にこちらも嬉しくて感動してしまい、かつて無いほど一生懸命に気合いを入れて謡ってしまいました。
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新婦も東京芸大で日本舞踊を専攻されていたということで、新婦側の御友人による琴と尺八の「春の海」の演奏もまた素晴らしいものでした。
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帰ってから頂戴した引き出物を拝見すると、宮崎県のクラフトビールが入っていてまた嬉しくなりました。
楽しみにいただきたいと思います。
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新郎新婦ともに非常に真面目で好感の持てるお2人でした。
本日はおめでとうございます。
どうか末永くお幸せに。