“気”を払い落とすこと
今日は江古田稽古でした。
先月私は2つの澤風会があってバタバタしておりましたが、やはり先月お忙しくてお休みだった会員さんが、若干久しぶりに稽古に来られました。
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元気溢れる方で、「忙しいけれど体力はまだ余っているのです!この間も1日働いたのに夜全然眠れなくて、夜中に起き出しておでんを作ってしまいました!」
その話を聞いて、思い出したことがありました。
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先日のブログに書いた「太極拳」のお話です。
太極拳を習っている方から聞いたのですが、太極拳の練習や試合をした後には、必ず”気”を払い落としてから帰らなければいけないそうなのです。
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そしてたまたま”気”を払い忘れて帰宅してしまった日があって、その日は夜に目が冴えて全く眠れず、それで”気”を落とすのを忘れたことに気がついたそうです。
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私が江古田の元気な会員さんにその話をすると、横で聞いていた別の方が「私も、以前に能を舞った後に全然眠れなかったことがあります。あれもやはり”気”が残っていたのでしょうね」と仰いました。
確かに大きな舞台の終わった夜に、なかなか眠れないことがたまにあります。あれは”気”の影響なのかもしれません。
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私の場合、舞台や稽古の後に”気を払い落とす”という行為はしたことがありません。
しかし考えてみると、稽古の帰りには必ず”文庫本”を読みながら帰ります。無性に読みたくなるのです。
これは、本の世界に束の間没頭することで、能の世界で受け取った”気”をリセットしているのかもしれません。
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なので読む本は読み易くて荒唐無稽なものが多く、今日はハヤカワ文庫のマイクル・クライトン著「パイレーツ」という海洋大冒険小説の世界に、しばし没頭しながら帰りたいと思います。