ランナーズ・ハイ
昔高校の時に、陸上部の中長距離をやっておりました。
放課後の練習で遠くの公園まで”アップ”と称するジョギングをする時。
走り始めは、まだ身体が暖まっておらずにすぐに息切れをしてしまいました。
しかし、数分走っていると不思議に気持ちが高揚して来て、「ようし、今日ももっと走り込むぞ!」と前向きな気持ちになったものです。
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後日それは”ランナーズハイ”と言って、科学的に検証されている現象だと知りました。
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そして時は流れて、本日香里能楽堂にて開催された「京阪神巽会」でのお話です。
番組の関係で、私は午前中から午後にかけてしばらくの間、切れ目なくずっと舞台で地謡を謡っておりました。
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最初の1時間が経過した頃には、「足が痺れて立てないかも…」と思い、次の1時間では「もう無理!足が痛くて座れん〜!」と若干泣きそうになりました。
しかし、その後の時間帯になると不思議なことが起きました。
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「足、なんだか痛くなくなって来た。」
「頭がクリアになって来て、まだまだいくらでも謡える気がする…!」
と、何故かとても前向きな気持ちになって来てしまったのです。
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まだ誰も実験実証はしていない筈なのですが、”ランナーズハイ”と同様に”謡・ハイ”というのも存在すると思われます。
今日は”謡・ハイ”のおかげで何とか京阪神巽会を無事に謡終えることができました。
明日はまた名古屋での和久荘太郎さんの演能空間で”謡・ハイ”になるくらい頑張って謡って参りたいと思います。