女装、男装…

今日9月9日は重陽の節句の日でした。

水道橋宝生能楽堂では月並能が開催され、私は能「井筒」の後見を勤めて参りました。

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「井筒」の後シテは、紀有恒の娘が在原業平の形見の衣と冠を身に纏った姿で登場します。

何度見ても美しい姿だなあと思いながら後見座から見ていたのですが、そこで何やら妙な既視感を感じました。。

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よくよく思い出してみると、それは一昨日夜のことでした。

京大能楽部BOX棟の横にある”吉田寮”では、いつもの如く何やら怪しげなお祭りが開かれていました。

大量の材木を組み合わせて、本格的な二階建の出店が寮食堂前に出現しており、カレー屋やチャイ屋やバーなどなど、実に魅力的な異世界空間が展開されていました。

誰かが「リアル森見登美彦の世界だ」と言っていたそうですが、全くその通りに見えました。

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このような魅惑的な祭りには、ついつい吸い寄せられてしまいます。

京大宝生会の何人かと、祭りを覗きながら吉田寮方向に歩いて行きました。

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その時に吉田寮の玄関から、何人かの大学生がぞろぞろと出て来たのですが、これが皆何故か女装した男子学生だったのです。。

女装してはいますが、顔は普通のむさ苦しい男子なので、思わず「おえ〜っ」と声を上げてしまいました。

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男装の女性は美しく見えるのに、逆は何故あんなに不快に感じるのだろうか…。

あの一昨日のセーラー服男子は実に不気味であった…。

と井筒の美しい序之舞を見ながらぼんやりと考えたところで、「しかし自分も舞台の上では頻繁に女装しているな…」と気付いて、「うーむ」となってしまいました。。

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