異名同曲と同名異曲
今日は昼過ぎに京都金剛能楽堂で京大能楽部自演会「能と狂言の会」の申合があり、その後バタバタと東京に移動して、これから水道橋宝生能楽堂にて「リレー公演」に出演いたします。
3ヶ所の能楽堂(宝生能楽堂、矢来能楽堂、梅若能楽学院会館)で今日から3週間にわたって同じ演目を上演する企画です。
「同じ演目」と書きましたが、チラシの表には「黒塚」と「安達原」の2つの曲名が書かれています。
内容は同じ曲でも宝生流では「黒塚」、観世流では「安達原」と呼ぶのです。
このように全く違う名前になるのは珍しいのですが、同じ曲を「少しだけ違う」曲名で呼ぶことは多くあります。
・宝生流「草紙洗」は観世流では「草子洗小町」、喜多流では「草紙洗小町」。
・宝生流「大原御幸」は喜多流では「小原御幸」。
・宝生流「八島」は観世流では「屋島」。
などなど。ややこしいところでは、
・宝生流「枕慈童」は観世流では「菊慈童」ですが、観世流「枕慈童」という曲もあり、こちらは宝生流とは内容が違う曲になります。更に金剛流には、同じ慈童が出てくる「彭祖」という曲もあります。
こうなると書いていても訳が解らなくなります。。
しかし逆に曲名通になると、曲名を見ただけでどの流儀かわかるようになり、それはそれで楽しいかもしれませんね。
興味ある方は是非調べてみてくださいませ。
今日はこれにて。