「地力」のある篁風会
今日は水道橋宝生能楽堂にて、藪克徳師の同門会「篁風会」に出演して参りました。
朝9時開始で、終わったのが19時40分。
毎年のことながら実に盛大な会だと思います。
能が「杜若」で、その他舞囃子もたくさん出ました。
実は今日の舞囃子の中で、ちょうど来年の郁雲会澤風会で出る予定の珍しい曲があり、密かに参考にさせてもらいました。
また素謡も多くあったのですが、この素謡の時に驚いたことがあります。
素謡「半蔀」は、番組にはシテとワキの2人だけのお名前が書いてありましたが、始まってみると20人以上の地謡が座っておられます。
会主「すいません、人が少ないと寂しいから誰か出て、と言ったらこんなことになりました…。」
いやいや、実に素晴らしいことだと思いますよ。
出る予定でない素謡に出て地を謡えるということは、前にその曲をきちんと稽古していないと無理なことです。
今日は「半蔀」以外の素謡にも地謡が本当に大勢出ておられたので、篁風会の皆さんはちゃんと稽古した曲のレパートリーが多いということなのでしょう。
我が澤風会も、「地謡に飛び入りしてもすぐにちゃんと謡える力」、略して「地力」をもっともっとつけていきたいものだと、大いに刺激を受けたのでした。
…明日の別会「安宅」に備えて、私は早く休みたいと思いますが、なんと藪君も明日私と同じ安宅のツレ同行山伏を勤めるのです。
彼のタフさもまた、見習いたいものだと思いました。