貴妃酔酒

私の兄は上海の女性と結婚しております。

昨年には上海近郊に家を購入して、将来的にはそこでずっと暮らすそうです。

その兄と兄嫁に招待してもらい、年明けに数日間上海旅行に行って参りました。

昨年末から日中関係は緊張しており、果たして上海に行って良いものか少し考えました。

しかしそれは政治の話。

おそらく私のような民間人レベルでは問題ないだろうと思って予定通り上海に向かいました。

着いてみれば予想した通り何の問題も危険も無く、とても楽しい数日間を過ごせたのです。

私は高校生の時に一度上海に行っているのですが、その時とは全く別の街になっていました。

映像で見たことのある摩天楼は、実際に見るとより刺激的な風景で、まるで現実ではない世界に迷い込んだようでした。

超高層ビルと伝統的な建物が混在して、さらに至る所で新たな工事が進められている上海。

今後ますます発展していくエネルギーに満ち溢れた都市です。

そして兄嫁の知人達との会食の途中で、実に興味深い体験をいたしました。

会食していた個室で京劇「貴妃酔酒」

を見せていただいたのです。

貴妃とは楊貴妃のこと。

有名な曲なのでおそらく以前にもどこかで目にした事はあったと思いますが、至近距離で拝見したのは初めてです。

舞の途中で何箇所か驚いた場面がありました。

扇と袖の使い方が能楽とそっくりだったのです。

例えば上の写真は「二段オロシ」の型。

こちらは「ヒキワケ」という型に酷似しています。

全体的な動きは能楽と日舞の両方の要素が混じった感じでした。

やはり中国には日本の芸能の源流があるのだと再認識いたしました。

今は時勢が許しませんが、いつか中国の地で能楽と中国伝統芸能の交流が出来たらと願っております。

大変有意義な上海旅行でした。