鬘と葛

先日の「関西宝連」の後には、香里能楽堂近くのお店で後席(宴会ですね)がありました。

この後席もコロナの時には数年間出来なかったのです。

皆でご飯を食べながら、今日の舞台の話や学校の話などをして交流を深める貴重な機会です。

私も各テーブルを回って多くの学生さん達と話をしました。

普段よりゆっくり話せるので、私自身が勉強になることもありました。

文学部で、能「玉葛」を卒論の題材にするという学生さんの話を聞いていた時のことです。

学生さん「玉葛は源氏物語では”玉鬘”と書きます。能でも”髪”が重要なモチーフになっているのに、何故宝生流では”鬘”でなく”葛”と書くのですか?」

…なるほど。改めて尋ねられると、「玉鬘」を「玉葛」と書く理由は何故なのか、すぐには答えられませんでした。

また、学生さんは玉葛と似た雰囲気の曲で「浮舟」との比較も話してくれました。

しかしこの「浮舟」が宝生流には無いと話すと大変驚いていました。

確かに「浮舟」は他の流儀では大切にされている曲なのに、何故宝生流には残っていないのでしょうか。

「玉葛」に関しては色々と調べてみると面白そうです。

とりあえず来月の「全宝連金沢大会」でまた後席があるので、それまでに”葛”と書く意味などを調べてまたあの学生さんと話してみたいと思います