喉の不調を経て

しばらくブログ更新が滞っておりました。

実は9月20日頃から、定期的に来る喉の不調に悩まされていたのです。

しかも今回はかなり酷い症状で、扁桃腺が腫れて熱を持ち、毎晩布団に入った途端に咳が出始めて止まらなくなり、うとうとしては咳き込んで起きてしまい、一晩中殆ど寝られないという状態が3週間ほど続きました。

しかし不調なのは喉だけで、食欲はあり、体力的にも普段と変わりはありませんでした。

なので「働きながら治す」という決意を固めました。

その頃ちょうど仕事の大きな山場が来ていたのです。

新作能のツレ、また能大原御幸の法皇の役をいただいており、加えて京都澤風会、松本澤風会があり、薪能や定例会、七葉會などの地謡も難しい曲が何曲かついておりました。

鞄に入れて持ち歩く小本も常時7〜8曲あり、新幹線で一通りさらうだけで東京から名古屋あたりまで移動している感じでした。

声を全力で出すと咳が出て破綻してしまうので、そうならないギリギリの声量で謡う日々が続きました。

喉の不調のピークは10月初旬までで、その後は少しずつですが症状は回復していきました。

10月第2週頃から夜の咳が止まって、寝られるようになったのが大きかったです。

今では喉はほぼ元通りに回復しました。

まだ右の耳に水が溜まっている感じがして、地謡の調子を合わせるのが少し困難なのですが、これも過去の経験で早晩回復すると思います。

ベストな喉の調子で謡えずに、ご迷惑をおかけした舞台もあったと思います。大変申し訳無く思っております。

何とか回復しましたので、今後はまた全力で謡って参りたいと思います。

ブログも徐々に書いていくつもりですので、引き続きどうぞよろしくお願いいたします。

今は東北新幹線で北に向かっているのですが、ブログを書きながらふと車窓を見て驚きました。

福島の空にくっきりとした虹が掛かっていたのです。

何かこの虹に力をもらえた気がいたしました。