木彫の狐像

今朝は青森駅近くの宿のチェックアウトから東北新幹線までに時間があったので、青森駅から新青森駅まで歩いてみました。

これまで度々歩いたことのある、1時間ほどの気持ちの良い散歩道です。

途中でいつも曲がり角の目印にしている”稲荷神社”と額の打ってある小さな神社にさしかかりました。

鳥居の手前でちょっと頭を下げて通り過ぎようとしたのですが、何か違和感を感じて戻ってみました。

鳥居の向こうの社をよく見て、違和感の正体に気づきました。

稲荷神社では狛犬の位置に「狐像」がありますが、ここではそれがとても変わっていたのです。

対になる方はこんな感じ。

これまで私が見て来た狐像は、狛犬と比べてホッソリとしたシルエットでした。

能「小鍛冶」の後シテが被る「狐台」の狐もやはり細くて軽快な印象を与えるものです。

それがこの小さな稲荷神社の狐像は、ずんぐりとしていて、丸太から直接彫り出したのがわかるように少々荒っぽく仕上げてあります。

無骨で、どことなく「円空仏」を思わせる彫刻です。

北米先住民族の「トーテムポール」にも通じるような、強さの中に、それでも狐の可愛らしさも無理なく同居していて、私はこの狐像がとても気に入ってしまいました。

社務所も無い小さな神社で、この狐像の由来を聞く事はできませんでした。

でも横に公民館があったので、次の機会に思い切って公民館に入ってこの「木彫の狐像」の事を聞いてみようかと思います。