思いがけない再会

今日は水道橋宝生能楽堂にて、宝生流定期公演の能「春日龍神」の地謡を勤めました。

シテは佐野弘宜さんでした。

佐野弘宜さんのお弟子さんで、一時期京都に引っ越して私のところで稽古していたお母さんと男の子がいます。

このホームページにも写真を使わせていただいているのですが、当時は男の子はまだ幼稚園児で、本当に小さかったのを覚えています。

その後、親子はまた関東に戻られて、再び佐野弘宜の元で稽古を再開されました。

それから数年会っていなかったのですが、何と今日はその親子が佐野弘宜さんの「春日龍神」を観にきてくれたのです。

能が終わってロビーに出て行くと、向こうから見覚えのある親子が走って来ました。

しかし男の子は面影は変わらないけれど背丈が倍くらいに大きくなっていました…!

聞けばもう小学6年生で、いわゆる”お受験”に突入しているそうなのです。

いつの間に6年も経っていたのですね…

男の子は私の事など忘れてしまっているかと思いきや、以前に澤風会に出てくれた時に番外で私が舞った舞囃子「春日龍神」の事をちゃんと覚えてくれていて、それも大変嬉しい事でした。

今は稽古が嫌になる時もあるそうなのですが、私も丁度小学6年生くらいの時に稽古が嫌になってお休みした期間があった事を伝えて、気長にやってくれるようにお願いして、またの再会を約して楽屋に戻りました。

この先高校や大学で能楽部がある学校に入ったら、是非そこで能を続けてもらいたいものです。

その時にまた思いがけないタイミングで再会出来ると嬉しいですね。