京大宝生会流の追善謡
先週末の「京大宝生全国OBOG会」では、4月29日に亡くなられた佐藤孝靖先輩の追悼で「融」が謡われました。
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ちょっと変わった謡い方で、「それは西岫に」から始めて、1人が一句ずつ交代で謡っていきます。
私は「例えば月のある夜は星の薄きが如くなり」を謡いました。
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数十年来の交友があったOBが、それぞれの佐藤先輩への想いを込めて、一句を大切に謡っていきます。
掛け合いの部分が終わって、
「影傾きて明け方の」
からは全員で謡います。
京大宝生会30人の声が唱和すると、底力のある重厚な響きになりました。
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舞台正面には笑顔の佐藤先輩の遺影が飾られていたのですが、その瞬間には笑みが一層深くなって、細かくウンウンと頷かれたような気がいたしました。
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カレンダーの6月1日の欄に、
「京大宝生全国OBOG会」
と大きく書いておられたという佐藤孝靖先輩。
間違いなく誰よりも今回の久々のOBOG会を楽しみにされていました。
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御参加が叶わなかったのは誠に残念無念ですが、京大宝生会流の追善謡「融」にはご満足いただけたと思います。
そしておそらく天上では、辰巳孝先生や小川先生、坪光先生、植田先輩、米澤先輩、塚本先輩といった錚々たるメンバーに佐藤先輩も加わった舞台が、地上と平行して盛大に催されていたことでしょう。