弱法師と香道
最近何ヶ所かの稽古場で「弱法師」の謡を稽古する機会がありました。
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「弱法師」の前半には、シテ弱法師が、
「や、花の香の聞こえ候」
と言う場面があります。
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香が「聞こえる」という表現は、確か「香道」にあったと思い、香道の知識が全く無いので少し調べてみました。
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やはり香道においては香は「聞く」ものであり、それは心の中でゆっくりと香を味わうという意味が込められた表現だそうです。
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さらに「香道」とは能や茶道、華道と共に室町時代に出来たものであり、「禅」の思想に強く影響を受けているという事です。
やはり能楽と香道は深い繋がりがありそうで、「弱法師」の中で「香が聞こえる」という表現が出てきたのは香道の影響なのかもしれません。
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また宝生流の能装束の「緋の大口」の中には
「源氏香模様」
という物があり、これも香道に使われる模様があしらわれた装束です。
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これまで香道とは縁がありませんでしたが、機会があれば香道を体験してみたいものです。