「荒い型」と「柔らかい型」
昨日は京大宝生会の稽古でした。
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今はオフシーズンで、1回生はこの時期には全員揃って荒い仕舞「国栖」を稽古する事が多いです。
2回生での「嵐山」「鞍馬天狗」などのちょっと長目の荒い仕舞の前に、短い「国栖」は丁度良いステップになる仕舞なのです。
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しかし今年の1回生は覚えが早いので、短い「国栖」だとあっという間に終わってしまいます。
そこで、国栖とは雰囲気の違う仕舞を並行して稽古する事にしました。
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仕舞「羽衣キリ」「右近」「田村クセ」
の3番です。いずれも”柔らかい”仕舞です。
1回生6人はこれらのうちから好きな仕舞を一番選んで、「国栖」と並行して稽古する訳です。
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1人ずつ順番に、まず「国栖」、そして続けて柔らかい仕舞を稽古します。
このやり方には、実は隠れたもう一つの意味がありました。
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国栖に続けて例えば「右近」を稽古すると、”行き掛かり”や”廻り返し”などの型が見事に「荒い仕舞」のようになってしまうのです。
そこで私が「荒い時の”行き掛かり”はこうで、柔らかい時はこう」
と比較して見せてあげると、彼らはすぐにコツを飲み込んで2種類の型を舞い分けてくれました。
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“荒い仕舞”と”柔らかい仕舞”は、数ヶ月単位の長い期間をかけて交互に稽古するのが通常の私のやり方です。
しかし今年の1回生達は本当に吸収が早いので、このオフシーズンのうちに2種類の演じ分けをしっかりと体得してもらおうと思っています。