力強い書のような
昨日は水道橋宝生能楽堂にて「春の別会能」が開催されました。
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留の能は辰巳大二郎さんの「道成寺」でした。
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私は今回は能「隅田川」の地謡だったので、「道成寺」は楽屋で拝見しておりました。
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能は演者によってカラーが異なるのが面白いところです。
辰巳大二郎さんの道成寺は、輪郭のはっきりとしたとても力強い謡と舞でした。
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例えるならば、
“太い筆で雄渾にしたためられた一幅の書”
を見ているような感覚をおぼえました。
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今回はコロナウイルスの影響でギリギリまで開催そのものが危ぶまれた「春の別会能」でした。
その状況で「道成寺」という大曲へのモチベーションを高く維持して稽古を積み、同時に記念扇など様々な準備を進めるのは、非常に困難だったと思います。
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その困難を乗り越えての、大変素晴らしい「道成寺」でした。
この大きな経験を経て、辰巳大二郎さんは名前の通りますます大きく羽ばたいていかれることでしょう。
道成寺成功おめでとうございます。