「安全な死に方」とは…?
今日は水道橋宝生能楽堂にて開催された「月並能」に出演して参りました。
私は能「錦戸」の立衆を勤めました。
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この立衆は、ワキ錦戸太郎の配下の武士で、シテ泉三郎と切り組んで討死する役です。
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切り組みの討死の仕方には、色々なバリエーションがあります。
①直立した状態からそのまま後ろに倒れる「仏倒れ」
②舞台から橋掛りへ向かって欄干を飛び越える「欄干越え」
③手を使わずに前転する「でんぐり返し」
④その場で飛び上がり平臥をする「平臥」
などです。
①が一番危険で、下に行くほど危険度は低くなります。
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そして今日の私の討死の仕方は…
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頭上に差しかざした太刀でシテの太刀を何度か受けて、押されて三足ほど下がって片膝をつく。
というものでした。
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膝にも足にも頭にも負担の全くかからない、いわば「最も安全な死に方」だったのです。
なんだか申し訳ないと思いながら片膝をついて、すぐに切戸に引いて帰りました。。
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来たる4月の「五雲会」で勤める能「兼平」では、ちゃんと(?)飛び上がり平臥をして、「自害の手本」となるような華やかな最期を遂げたいと思います。