魂のこもった卒業仕舞
2019年冬の「関西宝生流学生能楽連盟自演会」は、おかげさまで無事に終了いたしました。
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例によって書きたい事は山積しています。
やはり先ずは京大宝生会のことを書かせていただきます。
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今日最初の出番は素謡「杜若」、最後の出番は仕舞「蟬丸」でした。
それら全ての舞台において、京大宝生会は非常な緊張感を持続しつつ、稽古したことを稽古した通りに発揮してくれました。
私の視点ではほぼミスは無かったと思います。
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番組を見るだけではわからないのですが、彼らは「自分の仕舞」、「誰かの仕舞の地謡、地頭」、「受付や”めくり”などの運営業務」、「素謡の役」、「素謡の地頭」…
と言った複数の要素を一日中、目まぐるしくこなしているのです。
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特に終盤の3、4回生ゾーンでは、難曲のシテと地謡が交替でやって来ます。
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同じように舞台を勤める身として見ると、それらの働きは”超人的”と言って良いのだと思います。
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その激務の最後に行われた、今回で現役を引退する4回生の「卒業仕舞」。
それはそれぞれの4年間の重みが集約されているような舞台で、見ていて心が震えました。
魂のこもった舞台でした。
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この人達を稽古出来たことは幸せだった。
もし叶うならば、この先もこの人達と稽古していきたい。
そう心から思いました。
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関西宝連の続報はまた書かせていただきます。
今日はこれにて失礼いたします。