服装に例えると…
最近ブログの更新が出来ない日が多かったので、今日はもう一度書かせていただきます。
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昨日の京大稽古で、「杜若」の謡を聴きました。
私は仕舞の稽古担当なので、あくまでも「聴くだけ」で、目立った点だけをアドバイスするというスタンスです。
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「杜若」という曲は、三番目物なので全体に綺麗に、淑やかな雰囲気で謡うべきだと思います。
しかしながら、その心持ちだけでは全部同じ謡になってしまい、抑揚が無くなってなんとなく「眠たい謡」になってしまいます。
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昨日気になったのは「クリ、サシ、クセ」と続く謡の「クリ」の部分でした。
優雅にゆったりと謡っていたのですが、その直前の「イロエ前」の謡と、直後の「サシ」の謡との差があまり無いように聞こえました。
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三番目なので例えば女性の服装に例えると、綺麗な服は一杯ありますが、その「綺麗さ」にはまた多くのバリエーションがあると思うのです。
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「クリ」の謡は春夏に着る、明るい彩りで模様もあるちょっと華やかな服。
「サシ」は秋冬に身につける少し落ち着いた色使いの服。
「クセ」は派手すぎない上品な和服。
というイメージでしょうか…。
そして「イロエ前」と「序之舞前」の謡は繊細な、例えれば”フォーマルなドレス”という雰囲気だと思います。
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…かえってわかりにくいかも知れませんが、明日の京大の「杜若」では、「色々な種類の綺麗さ」を舞台上で表現してもらえたらと思います。