「葵上」の深みに挑む
今日は青森稽古で、上野から3時間半ほどかけて移動しました。
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移動中の常で、何か謡や舞をさらいながら列車に揺られていきます。
今は今月の五雲会で勤める能「葵上」を主にさらっております。
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型付を見ながら脳内で謡と型を確認していくのですが、通常は本番の舞台よりかなり早く一曲をさらい終えます。
短い時は10分ほどで一曲を一通り頭の中で舞終えることが出来ます。
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ところが、今回の能「葵上」はかつてない程に手強い曲なのです。
最初から色々考えながらさらっていくと、気がつくと簡単に小一時間ほど経過しています。
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そして「葵上」をさらい終えると、動いていないのにもかかわらず相当な疲労感を感じてしまうのです。
何かと戦った後のような気分です。
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この曲は何か得体の知れない力を纏っている気がいたします。
六条御息所の強い想念が曲自体を支配しているのでしょうか。。
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「葵上」の底知れない深みに如何にして踏み込んでいけるか、今しばらくの間もがきながら戦い続けたいと思います。