少年から青年へ
今日は水道橋宝生能楽堂にて、来週9月23日に開催される和久荘太郎さんの「演能空間」の申合がありました。
能は「烏帽子折」です。
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この曲は滅多に出ない大曲であり、シテが大変なのは勿論ですが”子方”もシテに準ずる重要な役割を担います。
子方の卒業の曲とも言われます。
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今回の子方は、和久さんの御長男の凛太郎君です。
年齢も背格好も、ちょうど”元服する若者”の役にぴったりで、実に清々しい演技でした。
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数年前に、私が教えていた少年が辰巳満次郎先生シテの「烏帽子折」で子方を勤めさせていただきました。
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その少年は「烏帽子折」で子方を卒業して、今ではすっかり”青年”になり、東京芸大邦楽科に入って宝生流の若手予備軍として修行しています。
あの時の「烏帽子折」で満次郎先生に元服させていただいたのだと今でも感謝しております。
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和久凛太郎君も、今回の舞台でお父様の荘太郎さんの手で元服を果たして、その先は立派な青年になっていくのでしょう。
ひとりの少年が大人への一歩を踏み出す、一生に一度しかない貴重な舞台です。
皆さま、23日開催の「演能空間」はどうかお見逃しないようにお願いいたします。