院展の迷宮・2019秋
今日は宝生能楽堂にて「五雲会」が開催されました。
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私はその前の午前中に、わずかな時間ですが上野の東京都美術館で「院展」を見て参りました。
田町稽古場の会員さんが毎回出品されているのです。
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行く度に「日本画の迷宮」をあてどなく彷徨うことを楽しみにしている院展です。
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もう7〜8回目になるかと思われますが、最近ではその時の自分の心境によって好みの絵が変わる事に気付きました。
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今回強く魅かれた絵は、
「異形の神々が立ち並ぶ神殿」
「”天狗風”で洗濯物が飛ばされるところ」
「真白い”ヤク”と、その背後の沢山の仏像達」
「バリ島のヴィシュヌ神」
…などでした。
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つまり、何か「人知を超えた存在」をモチーフにした絵に惹かれたようなのです。
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しかし勿論それ以外にも印象的な絵はありました。
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今回最も心に残ったのは、ある二頭の動物の絵でした。
静かに澄んだ瞳で、並んで遠くを見つめる彼らに付けられた題名は「美しい二人」。
二人の佇まいと、その周囲を包む静謐な空気は、本当に美しく見えました。
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その動物は、「ブチハイエナ」でした。
おそらく多くの人々からはあまり良い印象を持たれていないと思われる”ハイエナ”。
しかし我々の持つそういった印象は、所詮一面的にしか過ぎないのです。
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美しい二人のハイエナの姿に、大切なことを再認識させられた気がいたしました。
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田町稽古場の会員さんの絵も勿論素晴らしく、遠くで鳴る雷が聴こえて来るような画風でした。
今週遭遇した雷雨を思い出しました。
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今回も僅かな時間の滞在でしたが、心地よい浮遊感を味わうことができました。
「院展」は明後日まで開催されています。
皆さまもご自分の好みの絵を見つけに、是非院展にいらっしゃることをお薦めいたします。